キッチンや浴室などの水周りは、カビや汚れが発生しやすいため、カビ取り剤の使用者は少なくありません。しかし、使用後にそのまま長期間保管してしまうことも少なくないようです。
「使い古してしまったので処分したいが、正しい廃棄方法が分からない」とお悩みの方も多いでしょう。
この記事では、使用しなくなったカビ取り剤を適切に廃棄する方法についてご説明します。
適正な手順を守り、安全に廃棄しましょう。
●カビ取り剤の廃棄方法について
カビ取り剤は一般に塩素系漂白剤として分類され、主要成分として次亜塩素酸ナトリウムが含まれています。
この成分には、広範囲の菌に対する消毒効果と強力な漂白効果があります。
製品の容器には「危険」や「直接触れないように」という注意書きがしばしば見られます。
開封後は時間が経つにつれて消毒効果が低下し、約半年で有効成分が約60%減少しますが、取り扱いには依然として注意が必要です。
廃棄の際には、自分が住む地域の自治体の指示に従うのが確実です。
液体のカビ取り剤は、直接ゴミに出すことが多くの場合禁じられています。
1.吸収材を用いた可燃ゴミ処理法
カビ取り剤を布や紙に吸収させ、可燃ゴミとして処理する方法です。
【用意するもの】
- ビニール手袋、マスク
- 使用しない布や新聞紙
- ビニール袋(レジ袋でも構いません)
【手順】
- ビニール手袋とマスクを着用し、カビ取り剤のノズルを開けます。
- ビニール袋に不要な布や新聞紙を広げ、カビ取り剤を少量ずつ注ぎます。
- カビ取り剤が布や紙に完全に浸透したら、ビニール袋を密封し、可燃ゴミとして外に出します。
2.排水処理法
カビ取り剤を排水口に流す方法もあります。
普段の掃除で使った後の処理と同じように希釈して行います。
【用意するもの】
- ビニール手袋、マスク
- バケツ(使用可能な場合)
【手順】
- ビニール手袋とマスクを装着し、カビ取り剤の蓋を開けます。
- シンクやバスタブにバケツを置き、カビ取り剤をバケツに流し込み十分に水で薄めます。バケツが無い場合は、シンクやバスタブに直接水を溜める方法でもよいです。
- 水で薄めた後、それを排水口にゆっくりと流し、最後に大量の水で洗い流します。
カビ取り剤の容器を適切に廃棄する方法
カビ取り剤の液体部分はご説明した通りに処理しますが、その容器についてはどうすれば良いのでしょうか?
「容器内に残ったカビ取り剤は危険なのか、それとも普通の不燃ゴミとして扱って良いのか?」と思われるかもしれません。
容器を捨てる時の手順は、以下のようになります。
- 容器に付いている表示をチェックします。多くの場合、「プラ」というマークが付いており、これはプラスチックゴミとして処理することを意味しますが、地域によっては不燃ゴミでの処理が求められることもあります。
- 容器を廃棄する前に、中をしっかりと洗い流してください。カビ取り剤が少しでも残っていればそれを完全に除去し、簡単にすすぐだけでも問題ありません。中身が残ったまま廃棄すると、漏れ出して危険な影響を及ぼす恐れがあるため、十分に注意してください。
これらの手順を踏んで、地域の規定に従い容器を正しく廃棄してください。
カビ取り剤の不適切な廃棄方法とその注意点
カビ取り剤の廃棄には適さない方法が存在します。
誤った方法で処理すると、危険な事態を招く恐れがあるため、次の点に気をつけましょう。
1.酸性物質との混合禁止
カビ取り剤と酸性物質の混合は極めて危険です。
カビ取り剤の主成分である塩素系漂白剤は、サンポールや一部の洗剤などの酸性溶剤と反応し、有害なガスを生成する可能性があります。
通常、製品の容器には「混ぜるな危険」と記載されています。
特に、カビ取り剤と酸性溶剤を同時に排水口に流すことは避けてください。
2.有機物との混合を避ける
カビ取り剤を布や紙で吸収させて廃棄する際には、他のゴミ、特に有機物と混ぜないように注意が必要です。
カビ取り剤が含まれている物をビニール袋に入れずに生ゴミと一緒に捨てると、酸を含む物質(酢やレモンなど)と反応し、有害ガスが発生するリスクがあります。
廃棄する際はカビ取り剤を別の袋に入れ、適切に分別してください。
3.原液のまま排水しない
カビ取り剤の原液をそのまま排水口に流すと、配管にダメージを与える恐れがあります。
塩素系漂白剤は金属と反応して錆を生じさせることがあるため、排水する際には必ず水で薄めることが重要です。
多量に廃棄する場合は、お風呂のお湯を利用して少しずつ希釈し、その後で浴槽を念入りに洗浄することをおすすめします。
カビ取りペーストの自家製レシピ
余ったカビキラーを無駄にしないための方法があります。
少し効果が落ちたカビキラーでも、ちょっとしたアイデアで再び掃除効果を向上させることが可能です。
その方法とは、片栗粉を使ってカビキラーをペースト状に変えること。
この自家製カビ取りペーストを使うことで、掃除の効率を格段にアップさせることができます。
以下に、カビ取りペーストの作り方とその応用方法を紹介します。
【用意するもの】
- カビキラー
- 片栗粉
- プラスチック製の容器
- スプーンまたは割り箸
【作り方】
- 使い捨て可能なプラスチック容器にカビキラーと片栗粉を等量入れ、スプーンや割り箸でしっかりと混ぜ合わせてペーストを作成します。
- 気になるカビの部分にこのペーストを塗り、10分間放置します(ゴム製のパッキンなどは5分間で充分です)。
- 時間が経ったら、シャワーで洗い流すか、湿らせた布で拭き取ります。
このペーストはドリップすることなくカビに密着し、高い清掃効果を発揮します。
片栗粉は食品としても使用されるため、安全性が高く、化学反応によるガスの発生の心配もありません。
頑固な黒カビも、しっかりと取り除くことができます。
まとめ
- カビキラーは紙や布に含ませてから可燃ゴミとして捨てることができます。
- 水で希釈した後には排水口に流すことができます。
- カビキラーの容器は、表記を確認し、自治体の規則に従って適切に廃棄してください。
- 酸性溶剤と混合すると有害ガスが発生するので注意が必要です。
- 生ゴミと触れ合わせると有害ガスが発生する可能性があるため、吸収させたカビキラーは別途保管し、適切に処理する必要があります。
- 原液をそのまま排水口に流すと配管を痛める可能性があるため、希釈してから排水してください。
- 余ったカビキラーは片栗粉と混ぜることで、カビ掃除に再利用することができます。