アクリル絵の具は、その明るく鮮やかな色と使いやすさで、多くのアーティストやDIYファンに重宝されています。
絵画はもちろん、家具や小物のデコレーションにも使われることが多いです。
創作の楽しみに浸っていると、よくあるトラブルに直面することがあります。
- パレットに残した絵の具が固まってしまった!
- パレットから絵の具をきれいに除去するのが難しい!
こんな経験は誰にでもありますよね。
大事なプラスチック製のパレットを、絵の具が取れないからといって捨ててしまうのは惜しいものです。
今回は、アクリル絵の具をパレットから効率良く、そして簡単に落とす方法をご紹介します。
アクリル絵の具の成分と効率的な掃除方法について
アクリル絵の具は主に以下の成分から成り立っています:
- 顔料:色をつける主要な成分です。
- 固着剤:顔料を紙やキャンバスにしっかりと定着させます。
これに加えて、絵の具を柔らかく保つための増粘剤や、成分が均等に混ざるようにする混合剤も配合されています。
アクリル絵の具に含まれる固着剤は「エマルジョン」というタイプの合成樹脂で、「乾いている間は水で溶けるが、乾くと水に強くなる」という特性があります。
この耐水性は制作中には非常に便利ですが、絵の具がパレットに残って乾燥してしまうと、水だけでは取り除くのが難しくなります。
アクリル絵の具をパレットから効率的に除去するコツは、絵の具が完全に乾く前に早めに洗い流すことです。
パレットについたアクリル絵の具の落とし方
パレットについたアクリル絵の具を、簡単に取り除く方法をご紹介します。
家庭にあるアイテムを利用した方法もお伝えします。
1.熱湯を使用する方法
パレットに残ったアクリル絵の具がまだ乾いていない場合、熱湯を用いることで簡単に除去できます。
【用意するもの】
- 熱湯
- ブラシまたはキッチンスポンジ
【手順】
適温の熱湯(約40度)を準備し、それを使用してパレットを丁寧に洗いましょう。
固まりがちな絵の具の部分は、ブラシやキッチンスポンジを使って優しくこすり落としてください。
2.メラミンスポンジを活用する方法
絵の具が完全に乾燥してしまい、熱湯とブラシだけでは取り除けない場合は、熱湯とメラミンスポンジを組み合わせて使います。
【用意するもの】
- 熱湯
- メラミンスポンジ
【手順】
適温の熱湯(約40度)でパレットを洗い、取れにくい絵の具はメラミンスポンジで軽くこすり取ります。
メラミンスポンジは効果的ですが、研磨作用によりパレットが傷つくこともあるので、力を入れすぎないよう注意してください。
3.水に浸す方法
アクリル絵の具がパレットに固まってしまった際には、一晩水またはお湯に浸すことが効果的です。
【用意するもの】
- 水またはお湯
- キッチンスポンジまたはメラミンスポンジ
【手順】
- 固まった絵の具を付着したパレットを一晩、水かお湯に浸します。
- 翌日、キッチンスポンジかメラミンスポンジを使い、絵の具をこすり落とします。
- 最後に、清潔な水でパレットを洗い流します。
この方法により、乾燥したアクリル絵の具が柔らかくなり、簡単に取り除けるようになります。
4.【裏ワザ1】重曹とメラミンスポンジ
重曹の研磨効果を利用して、パレットからアクリル絵の具を取り除きます。
【用意するもの】
- 重曹
- キッチンスポンジまたはメラミンスポンジ
【手順】
- 湿らせたキッチンスポンジやメラミンスポンジに重曹を振りかけます。
- 重曹をつけたスポンジで絵の具が付いているパレットを擦ります。
- 絵の具が取れたら、最後に水やお湯でパレットを洗い流します。
5.【裏ワザ2】マジックリンスプレー
キッチンの油汚れ除去に使用されるマジックリンスプレーでも、アクリル絵の具を取り除くことができます。
【用意するもの】
- マジックリンスプレー(合成洗剤)
- キッチンスポンジまたはメラミンスポンジ
【手順】
- 絵の具が付いたパレットにマジックリンスプレーをスプレーし、少し置いておきます。
- 水を含ませたスポンジで優しくこすり、絵の具を落とします。
- 全ての絵の具が取れた後、お湯でパレットを洗います。
6.【裏ワザ3】ネイルリムーバー活用法
硬化したアクリル絵の具は、ネイルリムーバーで取り除くことができます。
【用意するもの】
- ネイルリムーバー
- ティッシュまたはコットン
【手順】
- ティッシュやコットンにネイルリムーバーをしっかり浸します。
- パレットの塗料が付着した箇所に当てて、擦り取ります。
- 塗料を取り除いた後、パレットを水またはお湯で洗い流します。
7.ラッカーシンナーや専用リムーバーの使用法
アクリル絵の具をきれいに取り除くためには、専用リムーバーやラッカーシンナーを使用する方法もおすすめです。
【用意するもの】
- アクリル用リムーバーまたはラッカーシンナー
- 古布
- ゴム手袋
【手順】
- ゴム手袋を装着します。
- 古布にアクリル用リムーバーやラッカーシンナーを少し染み込ませ、パレットの絵の具が塗られている部分を拭き取ります。
ラッカーシンナーを使用する場合は、その強烈な臭いに注意し、換気を良くすることが重要です。
アクリル用リムーバーは画材専門店やオンラインで購入可能です。
アクリル絵の具をよく使用する方には、一つ持っていると便利でしょう。
絵の具が完全に落ちないときの対処法
アクリル絵の具をパレットから除去するさまざまな方法を紹介しましたが、場合によっては完全に取り除けないことがあります。
絵の具の塊が取れたとしても、パレットには色が薄く残ることがあります。
この場合、色移りの心配はないため、そのままパレットを使用して問題ありません。
無理にアクリル絵の具を取り除こうとすると、パレットを傷つけたり形を変えてしまう恐れがあるので、無理な処理は避けましょう。
また、アクリル絵の具を使用する際には、使い捨てが可能な以下のようなアイテムが便利です。
- 紙パレット
- 牛乳パックを開いて内側を使用
- プラスチックパレットにラップを敷く(使用後にラップを捨てるだけ)
特に紙パレットは、使い終わった後にシートを剥がして捨てるだけなので手間がかかりません。
まとめ
- アクリル絵の具は乾く前は水溶性で、乾燥後は耐水性があります。
- パレットに付着した絵の具は乾燥する前に洗い流すのがベストです。
- まだ乾燥していない絵の具は、お湯とスポンジのみで除去できることがあります。
- 除去が困難な場合は、水に一晩浸すかメラミンスポンジで擦る方法が効果的ですが、強く擦り過ぎないよう注意が必要です。
- 重曹、マジックリンスプレー、マニキュア除光液を使う裏技も効果的です。
- 専用のアクリルリムーバーやラッカーシンナーを使用する方法もあります。
- どうしても絵の具が落ちない場合は、パレットを傷めないよう無理をしないでください。
- アクリル絵の具の場合、プラスチック製パレットだけでなく、紙パレットや牛乳パック、ラップを使用することで後片付けが容易になります。